複数口の奨学金の月々の返済額は減額できる

日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金を複数口借りた場合、申し出ることによって、通常設定される月々の返済額を減額できることが分かったので書いておきます。

返済総額は変わりませんが、無利息の借金(奨学金)の返済期限を延ばせるということは利益です。できるだけ返済期間を延ばしておいてお金を貯めておき、最後に一括返済して報奨金をもらうのがおトクだと思います。

日本育英会の報奨金制度

適用対象は、複数口の奨学金を借りた場合です。例えば、大学・大学院でそれぞれ貸与を受け、合計2口の返済をする場合などです。このような方は、「奨学金返還期間変更願」を出すことで月々の支払い額を減額できます。

このことは、卒業時に配られる「返還の手引き」や、Webページの記載で分かり難いです。

予備知識

まず、奨学金の返済額がどのように決まるか見ておきます。一年の返済額(返還年賦額)は、奨学金返還年数算出表にしたがって決まります。

奨学金返還年数算出表

返還の手引き※1 より作成
返還月賦額は、返還年賦額を1/12して額で実際と異なる

平成6年(1994年)3月31までに採用された奨学生

平成6年(1994年)4月1以降に採用された奨学生

さて、複数口の奨学金を貸与した場合はどうなるでしょうか?

実は、何も申請しないと、一口分それぞれの借用金額から返還年賦額を算出したものの和になります。

返還期間の変更について

ところで、返還の手引き※1には、下記記載があります。

返還期間の変更
第一種奨学金のほかに、第二種奨学金又はきぼう21プラン奨学金の借用を受けた場合など二口以上の返還金がある人は、それぞれの借用金額の合計額を返還年賦額(「奨学金返還年数算出表」参照)で除して得た返還年数で返還することができます。
返還期間の変更を希望する場合は、初回振替の3ヶ月前までに申し出てください。

つまり、複数口借用した額を合計し、その金額を使って返還年数計算表で年賦額を算出してもいいよ。と言っているわけです。

ここで気になるのは、「返還期間の変更を希望する場合は、初回振替の3ヶ月前までに申し出てください。」の一文ですが、これは、初回振替の3ヶ月前までに申し出ないとこのルールは適用できない、という意味ではありません。現在返済中の人でも申請することで返還期間を変更することができます。

日本学生支援機構に電話で問い合わせたところ、

・ 現在返済中であっても申し出があれば1度だけ変更可能
・ 複数口の奨学金を受けたことがあり、現在延滞していないことが条件
・ 変更に3ヶ月ほど要することがある

との回答でした。

ある奨学生で試算した例

ここで、返還期間の延長で奨学金の返済額が減額される例を計算してみます。

例えば、高校、大学、大学院で合計3口の奨学金を受けた場合を考えます。実際には奨学金の金額は決まっていますが、計算の簡単のために適当な金額にしています。

高校3年間  : 月額2万円、総額72万円
大学4年間  : 月額5万円、総額240万円
大学院2年間 : 月額8万円、総額192万円

の奨学金を受けたとします。その場合、1994年4月1以降採用の返還年数表によれば、卒業後の返済額は、

8万円/年 + 16万円/年 + 14万円/年 = 38万円/年
月額に換算すると、およそ3.2万円/月

何も申請しないと、上記のような返済額に決まってしまいます。ところが、先の「返還期間の変更」ルールを適用してみます。

借用金額の総額は、72万円+240万円+192万円=504万円
表より年賦額は、504万円/20=25.2万円
月額に換算すると、およそ2.1万円/月

この例では、月々の返済額は1万円以上減額されることになります。

お得な返還方法

すでに、日本育英会の報奨金制度で報奨金制度について書きましたが、できるだけ返還期間を先延ばししておき、最後に一括返還するのがよいと思います。

返還期間を先延ばしするための「返還期間の変更」は、現在返還中でも申請可能です。Webなどに書かれている「初回の振替の2ヶ月前までに…」という一文に惑わされますが、大丈夫です。

報奨金を目当てにする場合、2000年度から2004年度までの採用者は、返済開始から7年未満で返還完了するか否かで報奨金のパーセンテージが変わるので、よく検討してみてください。

先延ばしするには、日本学生支援機構に「返還期間の変更」の申し出をすればokです。「返還期間の変更」の申し出は、こちらを参照下さい。申請書もダウンロードできます。念のため詳細は、機構へ問い合わせることをお勧めします。


※1:第一種奨学金 返還の手引き 大学・大学院・高等専門学校用, 平成12年度, 日本育英会

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