ETFの運用コストの計算方法

中田たろうさんが、ETFで投資家が負担するコストについて解説されています。

ETFの「その他費用」について@中田たろうの投資日記

この記事、とても参考になったのですが、表中の計算式をすぐに連想できず、理解するのに時間がかかりました。ボクの頭がポンコツなせいです。いつか自分で計算したくなったときに、またこんがらがりそうなので、忘れないように書いておきます。

中田たろうさんの表では、

A=信託報酬(年率)
B=営業費用合計
C=委託者報酬+受託者報酬

のとき、

実質的な運用コスト(年率)=[A]×[B]÷[C]

であると言っています。なんでこういう計算になるか?すぐわかる?

ETFの財務諸表で、営業費用の費目は、

支払利息[円]
委託者報酬[円]
受託者報酬[円]
その他費用[円]
営業費用合計[円]

です。

営業費用合計[円]=支払利息[円]+委託者報酬[円]+受託者報酬[円]+その他費用[円]  ①

営業費用合計のうち、委託者報酬と受託者報酬の和が信託報酬です。

信託報酬[円]=委託者報酬[円]+受託者報酬[円]  ②

一方で、財務諸表ではない項目に、信託報酬について以下のように書いてあります。

出典:TOPIX連動型上場投資信託(1306)の交付目論見書2009.11
ファンドの純資産総額に、年0.252%(税抜年0.24%)以内(平成21 年9 月30日現在年0.1155%(税抜年0.11%))の率を乗じて得た額とします。
また、株式の貸付を行なった場合は、その品貸料の52.5%(税抜50%)以内の額とします。つまり、信託報酬は年率0.1155%。

つまり、信託報酬の年率はファンドの純資産総額の0.1155%だと言っています。

①と②をあわせると、

営業費用合計[円]=信託報酬[円]+支払利息[円]+その他費用[円]  ③

③を百分率で書き換えても等式は成り立つので、

営業費用合計[%]=信託報酬[%]+支払利息[%]+その他費用[%]

③と④のうち、公開されている情報から分からないのは、青字にしました。私たち投資家が支払う信託報酬を含むコストが、純資産総額の何%かが知りたいわけです。このコストは、④の営業費用合計[%]に相当します。

③と④より、③と④の各項はそれぞれ1対1に対応することから、

営業費用合計[円]:営業費用合計[%]=信託報酬[円]:信託報酬[%]

書き換えると、

営業費用合計[%]×信託報酬[円]=営業費用合計[円]×信託報酬[%]

営業費用合計[%]=営業費用合計[円]×信託報酬[%]/信託報酬[円]  ⑤

公開されている情報・非公開の情報・知りたいこと、などが入り組んでいて、結構ややこしい気がするけど、そんなことない?

最初から、運用コスト(営業費用合計の純資産総額に対する割合)を開示してほしいです。運用コストって、信託報酬単独より重要じゃないか?

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